毒舌の真意

毒舌の真意

毒舌の真意01

ヒット曲等の楽曲を分析をしていくと、この曲はここを工夫している、ここが個性的、ここが優れている、というふうに部分をあげて評価することがふつう可能です。 そういった分析体験を経て、特定の音楽構造が箇所毎の特徴的な響きを作り上げているんだ、という事を実感できれば、生徒さんの側も、同じ種類の素晴らしさを自作の曲に込めるためにどうすればいいか、モチベーションをあげて努力することが出来るでしょう。


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ただ、楽曲によっては、この曲には、特に工夫された部分も凄いところもないです、このレベルならば、最低限のスキルさえあれば誰にでも作れます、と言わなければいけない場合もあります。ただそれがその生徒さんが大好きで尊敬しているアーティストの曲であったりしたときは…

講師も人間ですから、生徒さんに悲しい思いをさせて平気でいられるわけはありません。できればうまくごまかして、そんな話をせずに済むようにしたいところですが、でも、強い興味を持ってそのアーティストへの(作曲家としての)評価を求められてしまうと、誤魔化せなくなることも出てきます。


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通常、一般に流通している楽曲であれは、歌唱力がすごい、とか、アレンジがかっこいいとか、トータルでみた場合商品として大きな価値があるように仕上がっている場合が殆どなので、嘘にならない範囲でその楽曲全体をせいいっぱい持ち上げてみせることはできます。が、それにしても、曲作りにおいてそのアーティストが関与している部分に、凄いところ、プロっぽいところがひとつもない事に関しては、残酷でもそう言うしかない。


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そうでないと筋の通った解説はできません。
そんなはずはない、だってこんなに感動できるんだから、とその生徒さんが食い下がったとしてもです。
作る側に立つなら、うちのお母さんの料理は日本一おいしい、とか、自分の彼氏は世界で一番カッコイイ!という主観的な受け止め方を離れて、客観的な評価基準も持てるようにならないといけないよね、と、諭すのが講師の責任ある態度なのだと思っています。

ただし、それでもそのアーティストのような曲が作りたい、と生徒さんが願っているならば、単純にそのアーティストの曲作りにおける特定のクセを精一杯拾って、それを模倣するように導くことによって、生徒さんの思いを成就させることは出来ます。そうやって満足な結果を得られるように、そこは精一杯お手伝いしましょう。