作曲塾に通って下さっている生徒さんは質のいい生徒さんばかりです、という話をしたいのですが、本来通っていただく生徒さんに対して質を云々するというのは、教室の側がとるべき態度ではないかも知れません。しかしそのへんに踏み込むのが作曲塾なので、作曲塾らしく、あえて触れることにしましょう。
作曲塾は、ほとんど広告を打たずに運営しているので、わざわざ検索してサイトにたどり着いてくれた生徒さんが圧倒的に多いわけです。わざわざ『作曲 教室』等のキーワードを入力して検索するというのはどういう事か? それは、本当に純粋に、いまこのタイミングで作曲を勉強したい欲求で溢れていることを意味するわけです。
昔、なにか習い事を始めたいという人のための情報誌「ケイコとマナブ」に広告を出した事があるのですが、そういう雑誌で集まる生徒さんたちは、ダンスを習おうかな?英会話にしようかな?でも、作曲っていうのも変わってて面白そう。というレベルで作曲塾を選ぶわけで、まあ言ってしまえば動機が軽いわけです。だから、とにかく週一回東中野に通ってさえいればちょっとの期間で曲が書けるようになると思っていて、そもそも音楽をそれほど愛してはなくて、好きなアーティストすら特にいない人も居ました。
たどり着きたい境地への欲求、それがあれば楽しい筈の勉強も、軽い動機で入ってくる人にとっては、苦痛でしかないようで… 『えー? そういう話、理解しなきゃ駄目なんですかー?』という生徒さんの台詞に、当時めまいがしたものです。
いま作曲塾にたどり着いてくれる人は、たとえば「大好きなバンドに出会ったのが遅く、すでに解散直前だった。そのバンドがずっと続いていたら聞けたかも知れない新曲、を、自分が替わって作りたい」という女子だったり、「若い頃からずっと作曲をやりたかったが、仕事に全精力を捧げざるを得なかったため、定年を迎える今まで、ずっと気持ちを封印してきた」という元銀行員だったり…
私が歓迎したいのはこのような方たち。作曲塾に通っている生徒さんたちは、多かれ少なかれそういう熱さを持っているみたいです。